よもぎ茶の効能は?専門店が成分と安全性からやさしく解説
「よもぎ茶が体に良いと聞いたけれど、実際どんな効能があるのかよく分からない。」
「妊娠中・授乳中でも飲んでいいのか不安。」
「冷えや巡り、なんとなくの不調に良いと聞くけれど、どこまで本当なのか知りたい。」
そんな疑問や不安を感じて、「よもぎ茶 効能」と検索されたのではないでしょうか。
この記事では、日本茶・健康茶専門の立場から、よもぎ茶に含まれる成分と、その成分から考えられる「よもぎ茶の効能」について、できるだけやさしい言葉でお伝えしていきます。
あわせて、安全性・妊婦さんの注意点・飲み方のコツ、そして私たち「茶つみの里」がよもぎ茶づくりに込めている想いまで、まとめてご紹介します。
この記事でわかること
・よもぎ茶に期待される主な「効能」と、その背景にある成分の働き
・妊娠中・授乳中・持病がある方が知っておきたい注意点と、安全性の考え方
・よもぎ茶を毎日の生活に無理なく取り入れるための具体的なシーン別アイデア
・茶専門店としての「原料」「焙煎」「ティーバッグ素材」へのこだわり
・よもぎと日本人の歴史的なつながり、そして「茶つみの里」の思想
目次
- よもぎ茶の効能をざっくり整理すると?
- 成分から読み解くよもぎ茶の働き
- お客様の不安に答える「安全性」とリスク管理
- 生活を変える、よもぎ茶のある暮らし
- 茶つみの里の「品質」という名の約束
- お客様の声(Voices of Customers)
- よもぎという植物の背景:植物学と歴史
- 茶つみの里が大切にしていること(よもぎ茶づくりの背景)
- 序章:現代を生きる皆様が抱える「静かなる氷河期」
- 結論:あなたという「個」を大切にするために
よもぎ茶の効能をざっくり整理すると
まず、細かな成分の話に入る前に、「よもぎ茶の効能」をイメージしやすいように整理しておきます。
よもぎ茶は、よもぎという野草をお茶としていただく飲み物です。
栄養成分やこれまでの活用歴を踏まえると、次のようなポイントを意識して飲まれる方が多いお茶だと考えています。
・温かい飲み物として、体を内側からあたためることを意識したいとき
・ノンカフェインのお茶として、就寝前やリラックスタイムに取り入れたいとき
・食物繊維やクロロフィルなどを含むお茶として、日々のすっきり感やめぐりを整えたいとき
・昔ながらの和のハーブとして、自然な形で養生を続けたいとき
このあとで、成分ごとの働き・安全性・暮らしへの取り入れ方を詳しく見ていきますが、
「よもぎ茶 効能」をひとことでまとめるなら、
日々の冷えや緊張、なんとなくの不調が気になるときに、ノンカフェインで続けやすい“和の養生茶”
として位置づけていただくイメージが近いかもしれません。
成分から読み解くよもぎ茶の働き
ここからは、最新の栄養学と伝統医学の両面から、よもぎ茶に含まれる成分が具体的にどのように身体に関わると考えられているのかを解説します。
なお、表現に関しては薬機法(旧薬事法)を遵守し、医薬品的な効果効能(「治る」など)の断定は避け、成分の機能と一般的な健康情報の範囲で記述します。
クロロフィル(葉緑素):体内を巡る「緑の血液」
よもぎの鮮やかな緑色は、豊富なクロロフィルによるものです。
構造的類似性として、クロロフィルの分子構造は、人間の血液中のヘモグロビン(赤血球)と非常に似ています。唯一の違いは、中心金属がクロロフィルはマグネシウム、ヘモグロビンは鉄であることです。この類似性から、クロロフィルは「緑の血液」と呼ばれ、血液の健康を支える栄養素として研究されています。
クロロフィルには、体内に溜まった不要な物質と結びつき、体のめぐりやバランスを整えることに役立つとされる働きがあり、いわゆる「デトックス」を意識したいときに取り入れられることもあります。また、血中のコレステロールとの関わりが研究されており、脂質が気になる方の食生活を見直す際の一要素として注目されています。
さらに、口臭や体臭の原因物質に働きかけ、内側からのエチケットケアを意識したい方に用いられることもあります。
シネオール・α-ツヨン:脳と血管を癒やす「香り」
よもぎ特有の、清涼感のある香りの正体が、シネオールやα-ツヨンといった精油成分です。
シネオールは、ローズマリーなどにも含まれる香り成分で、気分転換をしたいときや、緊張が高まっていると感じるときに用いられることが多い成分です。香りを楽しみながら飲むことで、ほっと一息つきやすい状態へ整えるのに役立つとされています。また、昔から胃腸の働きを助けたいときに活用されてきた歴史もあります。
これらの精油成分は、温かい飲み物としていただくことで、体をじんわりとあたため、血行をサポートするとされています。末梢まであたたかさを意識したいときや、手足の冷えが気になる方からも選ばれている成分です。
タンニン:細胞のサビつきを防ぐ盾のような存在
緑茶にも含まれるポリフェノールの一種がタンニンです。
タンニンは、体内の活性酸素に関わる成分として知られており、酸化から体を守る働きが期待される物質の一つです。こうした抗酸化に関わる成分は、年齢とともに気になってくる肌やからだのコンディション、生活習慣の見直しを考える際のサポート役として研究が進められています。
また、粘膜を引き締める働きがあるとされており、お腹のコンディションや、肌のキメを整えたいときに意識されることもあります。
豊富なミネラルと食物繊維
よもぎには、現代人に不足しがちな栄養素がバランスよく含まれています。
鉄分は、からだの中で酸素を運ぶ役割に関わる栄養素で、特に月経のある女性にとって意識されることが多い成分です。よもぎに含まれる鉄分は、鉄分補給を意識したい方の日々の食生活の一つの選択肢として取り入れられています。
ビタミンKは、血液や骨の健康に関わるビタミンとして知られており、からだの土台づくりを支える栄養素の一つです。
また、よもぎには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。これが腸内で水分を吸収して膨らみ、腸壁にほどよい刺激を与えることで、お通じのリズムを整えたい方にとって心強い存在とされています。腸内環境(フローラ)が整うことは、免疫や肌のコンディションを支える土台づくりにも関わるとされており、「内側からのすっきり感」を目指したい方に選ばれる理由の一つです。
成分ごとのまとめ
元の内容をそのまま整理し、表にまとめると以下のようになります。
| 成分名 | 主な働き・期待されること | 特にこんな方におすすめ |
|---|---|---|
| クロロフィル | 血液の健康サポート、コレステロールとの結びつきが研究される成分、デトックスを意識したいときに取り入れられることがある成分 | 貧血が気になる方、脂っこい食事が多い方、体のめぐりを意識したい方 |
| シネオール | 気分転換・リラックスを意識したいときに用いられる香り成分、血行サポート、胃腸ケアに活用されてきた成分 | 冷えが気になる方、ストレスを感じやすい方、気持ちを落ち着けたい方 |
| タンニン | 抗酸化に関わる成分として知られるポリフェノール、収斂作用により粘膜や肌を引き締める働きがあるとされる | 肌のコンディションが気になる方、お腹の調子を整えたい方 |
| 鉄分 | 酸素運搬に関わる栄養素として知られる成分 | 妊娠中・月経のある女性など、鉄分補給を意識したい方 |
| 食物繊維 | 整腸を支える栄養素として知られる成分、毎日のすっきりリズムづくりをサポート | 便通のリズムを整えたい方、毎日のスッキリ感を意識したい方 |
※いずれも一般的な成分情報であり、よもぎ茶の摂取による具体的な効果・効能を保証するものではありません。体感には個人差があります。
お客様の不安に答える「安全性」とリスク管理
健康食品を選ぶ際、最も気になるのは「効能」以上に「安全性」ではないでしょうか。
特によもぎ茶に関しては、インターネット上でさまざまな情報が錯綜しており、不安を感じている方も多いように見受けられます。
ここでは、専門家の視点から、よく聞かれる疑問に誠実にお答えしていきます。
「妊婦は飲んではいけない」という噂の真相
「妊娠中に、よもぎ茶は飲まない方がいい」といった情報を目にしたことがあるかもしれません。
この噂の根拠の一つは、よもぎに含まれる「ツヨン」という成分です。ツヨンは、高濃度の精油(エッセンシャルオイル)として大量に摂取した場合に、神経や子宮への作用が指摘されている成分です。
一方で、日常的な食品としての「よもぎ茶」は、乾燥させた葉をお湯で抽出して飲む形ですので、精油を高濃度で摂取する場合とは条件が異なります。お茶として飲む際に溶け出す量は非常に限られており、一般的な食品として取り入れている方もたくさんいらっしゃいます。
実際、日本の一部の助産院や産婦人科では、よもぎを使ったお茶が「体を温めるお茶」「産後のケアに用いられるお茶」として取り入れられているケースもあります。一方で、考え方は医療機関によってさまざまで、使用を控えるよう案内しているところもあります。
私たちが提供するよもぎ茶は、食品としての安全基準を満たした国産よもぎを使用しており、一般的には1日2~3杯程度を目安に、体調を見ながら飲まれているお客様が多い印象です。
ただし、以下の場合は念のため注意をおすすめします。
・切迫流産・早産の診断を受けている方
→ 医師から絶対安静を指示されている場合は、子宮への刺激を極力避けるため、主治医にご相談ください。
・キク科アレルギーの方
→ よもぎはキク科の植物です。ブタクサなどにアレルギーがある方は、交差反応が出る可能性がありますので、少量から様子を見ていただくか、事前に医師に相談されることをおすすめします。
妊娠中・授乳中、持病のある方がよもぎ茶を取り入れる際は、自己判断だけに頼らず、かかりつけ医や専門家に相談したうえで、無理のない範囲で取り入れていただくことを強くおすすめします。
カフェインと睡眠への影響
結論から言うと、よもぎ茶はカフェインを含まないお茶です。
緑茶やコーヒーと異なり、よもぎ茶にはカフェインが一切含まれていません。そのため、一般的には「就寝前でも飲みやすいノンカフェインのお茶」として選ばれています。
カフェインは覚醒作用があるため、夕方以降に摂取すると睡眠の質が気になる方もいらっしゃいます。また、鉄分の吸収との関わりが指摘されることもあります。その点、ノンカフェインのよもぎ茶は、鉄分を意識したい方や、夜のリラックスタイムにお茶を楽しみたい方にとって取り入れやすい選択肢と言えます。
とはいえ、温かい飲み物を飲むこと自体が体調に影響することもありますので、「自分の体はどう感じているか」をよく観察しながら、量やタイミングを調整していただくのが良いと思います。
副作用について
よもぎ茶は食品ですので、医薬品のような「副作用」という概念とは少し性質が異なります。
一般的な飲食の範囲であれば、特別な問題が報告されることは多くありません。
ただし、よもぎ茶には食物繊維なども含まれているため、人によっては飲みすぎるとお腹がゆるく感じることがあります。まずは1日1杯から始め、ご自身の体調やお通じの様子を見ながら、徐々に量を調整されることをおすすめします。
生活を変える、よもぎ茶のある暮らし
よもぎ茶は、薬のように「飲まなければいけないもの」ではなく、日々の暮らしの中に、心地よい習慣として取り入れていただきたいお茶です。
ここでは、元の文章どおり、シーン別に「よもぎ茶のある暮らし」を描いてみます。
朝:目覚めの一杯で「スイッチ」を入れる
朝起きて一番に、温かいよもぎ茶を一杯。
寝ている間に失われた水分を補給すると同時に、温かい液体が胃腸を優しく刺激し、内臓のスイッチをオンにします。クロロフィルを含むよもぎ茶を朝の一杯にすることで、「今日も一日、すっきりと始めよう」という気持ちの切り替えにもつながります。
昼:水筒に入れて「お守り」にする
職場や外出先にも、マイボトルに入れて持ち歩いてください。
職場の冷房で身体が冷えた時、ストレスでイライラした時、一口飲むだけで、よもぎの香りが張り詰めた神経を緩めてくれます。ノンカフェインなので、午後の水分補給としてたっぷり飲んでも安心です。
夜:一日の終わりに「自分へ還る」時間
夕食後や入浴後のリラックスタイムに。
テレビやスマホを消して、静かにお茶を淹れる。その数分間が、忙しい現代人にとっての瞑想(マインドフルネス)の時間になります。身体の芯から温まることで、布団に入る前の「心と体のクールダウン」の時間にぴったりです。
夏:水出しで楽しむ「涼やかな」よもぎ
暑い夏には、水出しアイスよもぎ茶もおすすめです。
500mlの水にティーバッグ1包を入れ、冷蔵庫で一晩(3~5時間)置くだけ。お湯で淹れる時とは一味違う、雑味のないクリアな甘みと、スッとする清涼感が楽しめます。夏の水分補給としても、ミネラルを含むお茶として取り入れやすい一杯です。
茶つみの里の「品質」という名の約束
世の中には数多くのよもぎ茶が存在しますが、その品質は玉石混交です。
私たち「茶つみの里」が自信を持ってお届けするよもぎ茶には、製茶会社ならではの明確なこだわりがあります。
原料:100%国産・残留農薬検査へのこだわり
私たちは、原料の出処が不明確なものは一切扱いません。
使用するよもぎは、国内で栽培・採取された国産100%のものです。収穫時期や品質の安定のため、産地はその年ごとの出来を見ながら選定しており、「◯県産のみ」といった形で限定はしていません。その代わりに、食品として安心してお飲みいただけることを最優先に考え、ロットごとに残留農薬検査を行い、基準を満たした原料のみを使用しています。
よもぎは生命力が強いため、道端や河川敷にも生えていますが、そういった場所のよもぎは排気ガスや動物の排泄物などによる汚染リスクがあります。私たちは、食品として管理された環境で育った「食用よもぎ」のみを原料としています。これは、お客様の体内に入るものに対する最低限の礼儀だと考えています。
製造:「火入れ(焙煎)」という魔法
「よもぎ茶は草っぽい味がして苦手」
そう感じたことがある方は、ぜひ私たちのお茶を試してみてください。
生のよもぎをただ乾燥させただけでは、青臭さとエグみが残り、毎日飲むのは苦痛になります。私たちは70年続くお茶屋です。緑茶の製造で培った「蒸し」「乾燥」「火入れ(焙煎)」の技術を、よもぎ茶にも応用しています。
温度と時間の微調整により、よもぎの葉の状態や季節ごとの水分量を見極め、成分を極力損なわない温度帯でじっくりと火を入れます。この工程により、青臭さが和らぎ、ほうじ茶のような香ばしさと、よもぎ本来のほのかな甘みが引き出されます。食事中のお茶としても違和感なく飲める、すっきりとした味わいを目指しています。
包装:見えない部分への配慮
ティーバッグの素材にもこだわりました。漂白剤を使用した紙パックではなく、無漂白で、植物由来の生分解性素材(PLA)不織布(糸なし)を採用しています。PLAは、トウモロコシやサトウキビなどのデンプンを原料とした環境配慮型の素材で、自然に還るサステナブルな資材として注目されています。
熱湯の中で長時間抽出するものですから、袋の素材から余計なものが溶け出さないようにしたい。そんな考えから、この素材を選びました。糸やホッチキスを使用していないため、誤飲やケガの心配もありません。1袋に3gという、しっかり味が出る量を詰め込み、50包入りの大容量でお届けしています。これは、「もったいないから」と薄く淹れるのではなく、毎日たっぷりと濃いめに味と香りを楽しんでいただきたいという、私たちの想いでもあります。
お客様の声
私たちが言葉を尽くす以上に、実際にお飲みいただいたお客様の声こそが、真実を語っています。
Case 1: 体にやさしいお茶を探して
「安心して毎日飲めています」(30代 女性)
カフェインを控えた生活をしているのですが、香ばしくて飲みやすく、自然と続けられています。香りがスッとして落ち着くので、仕事の休憩時間にもよく淹れています。家でも外でも気軽に飲めるので、今では手放せない一杯です。
Case 2: 長年の冷えとの戦いに
「冬の夜が変わりました」(50代 女性)
若い頃からの冷え性で、冬は靴下を履いて寝ていました。半信半疑で飲み始めましたが、飲み始めて1週間ほどで、お風呂上がりでも足先が冷えにくくなっていることに気づきました。今では娘と一緒に飲んでいます。
Case 3: 美容とデトックス意識の高い方に
「肌が明るくなったと言われました」(40代 女性)
高い化粧品を使うより、中から綺麗になりたくて購入。お通じが毎日あるようになり、吹き出物が減りました。味もほうじ茶みたいで美味しく、無理なく続けられています。
※これらは個人の感想であり、よもぎ茶の効果効能を保証するものではありません。体感には個人差があり、すべての方に同様の変化が現れるわけではないことをご理解ください。ただ、これらのお声一つ一つが、私たちが品質を守り続ける原動力となっています。
よもぎという植物の背景:植物学と歴史
ここからは、感情論ではなく、客観的な事実と歴史的背景に基づき、「よもぎ」という植物の真の姿を解き明かします。
日本人のDNAに刻まれた「魔除け」と「治癒」の記憶
よもぎ(学名:Artemisia princeps)は、キク科の多年草であり、日本全国の野山に自生しています。その生命力は凄まじく、踏まれても刈られても再び芽を吹くことから、古来より「生命力の象徴」とされてきました。
歴史を紐解けば、よもぎは単なる食品以上の意味を持っていたことがわかります。端午の節句には、菖蒲と共によもぎを軒先に吊るし、邪気を払う風習がありました。また、百人一首にも詠まれるように、古くから日本人の生活に深く根ざしていました。
漢方の世界では「艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、身体を温めることを意識したいときや、痛みと向き合うときに用いられてきました。また、お灸の原料である「もぐさ」もよもぎから作られます。つまり、よもぎは「飲む(内服)」「食べる(草餅など)」「浸かる(よもぎ湯)」「燃やす(お灸)」と、あらゆる形態で日本人の身体を支えてきた、とても頼りがいのある薬草と言える存在です。
「ハーブの女王」の異名を持つ理由
西洋のハーブと比較しても、よもぎは少しユニークな立ち位置のハーブです。ラベンダーやカモミールが「リラックス」に特化しているのに対し、よもぎは「浄化」と「再生」の両方の性質を併せ持っています。
栄養学的な観点からも、ビタミン、ミネラル、食物繊維、そして特有の精油成分をバランスよく含んでおり、さまざまな角度から日々の健康づくりに関わる植物として注目されています。だからこそ、私たちはこれを単なる「和のスーパーフード」という言葉では語り切れない、「ハーブの女王」と呼び、敬意を持って扱っているのです。
茶つみの里が大切にしていること
ここからは、なぜ「茶つみの里」という緑茶専門店が、よもぎという野草のお茶に取り組んでいるのか。その背景にある思想とエートスをお伝えします。
「人々に感動してもらえるお茶づくり」の継承
私たち茶つみの里は、戦後の混乱期である1946年に創業しました。以来、静岡県掛川市という日本屈指の茶産地で、製茶会社として歩んでまいりました。創業当初から掲げている理念は、「人々に感動してもらえるようなお茶づくり」という極めてシンプルなものです。
「感動」とは何でしょうか。それは、一口飲んだ瞬間に「美味しい」と感じる味覚の喜びだけではありません。「このお茶なら安心して家族に飲ませられる」という信頼、「作り手の顔が見える」という安心感、そして飲み続けることで日々健やかになっていく自分自身への希望。それらすべてを含んだ体験こそが、私たちが提供したい感動です。
現代のマーケティングは、効率とスピードが求められます。
私たちも新しい技術を積極的に取り入れ、多くのお客様に商品を届ける努力を続けています。
ですが、それらはあくまで「届ける手段」にすぎません。
私たちの本質は、畑に立ち、葉に触れ、蒸し、火を入れる――そんな丁寧な手仕事にあります。
どれだけデジタル化が進んでも、この“職人の仕事”こそ、いちばん大切にしなくてはいけない部分だと考えています。
画面の向こうにいるお客様の健康を預かるという責任。
その思いが、茶つみの里の姿勢を支える土台になっています。
「売りっぱなし」にしない覚悟
インターネット通販の普及により、生産者と消費者の距離は物理的には縮まりましたが、精神的な距離はどうでしょうか。商品を送って終わり、売上を上げて終わり、という希薄な関係性になっていないでしょうか。
私は、それを良しとしません。
私たちの屋号「茶つみの里」には、いつでも帰ってこられる故郷のような場所でありたいという願いが込められています。だからこそ、品質を犠牲にするような安さは絶対に提供しません。そして、お客様が抱く「不安」に対して、決して目を背けません。
緑茶専門店が「よもぎ」に挑む理由
「お茶屋さんが、なぜ野草茶を?」という問いをいただくことがあります。
確かに私たちは深蒸し茶の本場・掛川の茶屋です。しかし、私たちが真に提供したい価値は「茶葉そのもの」ではなく、その先にある「お客様の健やかな生活(Well-being)」です。
緑茶は素晴らしい飲み物ですが、カフェインを含みます。夕食後や就寝前、あるいは妊娠中の方にとっては、そのカフェインが障壁となることがあります。「時間を気にせず、家族全員が同じ急須からお茶を飲み、団欒する」。そんな風景を守るためには、ノンカフェインの選択肢も必要です。
そこで私たちが着目したのが、日本の暮らしに根づき、古くから親しまれてきた「よもぎ」でした。
よもぎ茶は体にやさしい一方で、「青い香りが強くて飲みにくい」という声もよく耳にします。
私たちは日頃からお茶の原料を見極める中で、
乾燥や焙煎の仕上がりによって、香りや味の印象が驚くほど変わることを知っています。
その経験を活かし、産地や加工方法をきちんと見極めたうえで、飲みやすく仕上がった原料だけを厳選して仕入れています。
仕入れた原料は、自社で丁寧にティーバッグ加工を行い、
毎日の暮らしで無理なく続けられる一杯に仕上げています。
よもぎ茶は決して流行だけの飲み物ではありません。
ほっとしたい時に寄り添ってくれる身近なお茶として、安心して飲んでいただけるものにしたい。
そんな想いから生まれた、私たちなりの自然な取り組みです。
序章:現代を生きる皆様が抱える「静かなる氷河期」
最後に、この記事を書く際の原点となった「序章」の部分を、そのままお届けします。
今の時代を生きる私たちの身体と心の状態を、どのように捉えているのか。その背景を共有させてください。
季節の移ろいを感じる余裕もなく、日々が過ぎ去っていく現代社会において、私たち日本人の身体は、かつてないほどの「冷え」と「緊張」にさらされています。
私は静岡県掛川市で、1946年の創業以来、茶業を営んでまいりました。お茶の葉一枚一枚と向き合い、その香りや味わいが人々の心にどのような灯りをともすかを考え続けてきた70余年です。その中で、近年強く感じることがあります。それは、お客様の身体が「冷えている」という事実です。
これは単に冬の寒さの話ではありません。夏場の過度な冷房、常に交感神経を刺激し続けるデジタルデバイスの光、そして将来への漠然とした不安が生み出す精神的な緊張。これらが複雑に絡み合い、身体の深部を冷やし、本来巡るべき血液やエネルギーの流れを滞らせています。
鏡を見た時、顔色の悪さにハッとしたことはないでしょうか。あるいは、夜布団に入っても手足の先が氷のように冷たく、なかなか眠りにつけない夜を過ごしていないでしょうか。
私たち「茶つみの里」は、茶の専門家です。緑茶のカテキンやテアニンが持つ素晴らしい健康効果については、これまでも多くの方にお伝えしてきました。
しかし、カフェインを含む緑茶だけではカバーしきれない、
よりデリケートで、日々の体調変化に寄り添う“やさしい一杯”を求める声が増えてきました。
仕事や家事でストレスを抱える方、
冷えや巡りの乱れを感じやすい方、
夜はカフェインを控えたい方——。
そんな方々にとって、時間を気にせず毎日飲める“もうひとつのお茶”が必要だと感じたのです。
そこで私たちが辿り着いたのが、日本の暮らしに長く寄り添ってきた「よもぎ」でした。
なぜ、今よもぎなのか。なぜ、お茶屋が野草を扱うのか。
このブログは、ただのよもぎ茶紹介ではありません。
長くお茶に携わってきた立場から、よもぎという植物が持つ力と、私たちが守り続けている「安心して飲める一杯」について、できるだけ誠実にお伝えしたいという思いで綴っています。
ここまで読んでくださったあなたに、少しでも“選ぶときの基準”や“迷いをほどくヒント”が届いていたら嬉しく思います。
結論:あなたという「個」を大切にするために
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
私たち「茶つみの里」が、よもぎ茶を通じてお届けしたいのは、単なる健康食品ではありません。「自分の身体を大切にする」という意識、そして「自然の力に委ねる」という安らぎです。
現代社会は、私たちに「もっと速く」「もっと多く」を求めます。しかし、私たちの身体は機械ではありません。土から生まれ、土に還る自然の一部です。だからこそ、自然の恵みである「よもぎ」の力が、深く、優しく響くのです。
もし、あなたが今、原因のわからない不調や、冷え、不安を感じているのなら、一度立ち止まって、お茶を淹れてみてください。その数分間の「間(ま)」が、あなたの心と身体をリセットし、本来の健やかさを取り戻すきっかけになると信じています。
私たちは、静岡・掛川の地で、いつでもあなたをお待ちしています。
お茶に関することであれば、どんな些細なことでも構いません。メールでもお電話でも、お気軽にご相談ください。私たちは「売る人」と「買う人」という関係を超えて、あなたの健康な人生の伴走者でありたいと願っています。
あなたの毎日が、よもぎの緑のような生命力と、温かな安らぎで満たされますように。
毎日の暮らしに、寄り添うお茶。

→ 私たちが大切に作った“よもぎ茶ティーバッグ”はこちら
