妊娠中のお茶選び|カフェイン・有機・ノンカフェインまで、安心のための完全ガイド
妊娠がわかったその日から、食べ物や飲み物の選び方が、突然「自分だけの問題」ではなくなりますよね。
特に、お茶は日本の暮らしに深く根ざした存在だからこそ、「緑茶はもう飲めないのかな」「カフェインはどれくらい気をつけるべき?」「香りの強いお茶は赤ちゃんに影響しない?」そんな小さな心配が、ふと心に浮かぶこともあると思います。
茶つみの里は、単に商品を届けるだけのお茶屋ではありません。「毎日の暮らしに、寄り添うお茶。」をお届けするために、妊娠中・授乳中の不安に誠実に向き合い、安心して選べる情報をまとめることも大切な役割だと考えています。
この記事では、妊娠中のお茶選びにまつわる不安をそっとほどき、あなたが自信をもって一杯を選べるようにすることを目的に、専門的な内容もできるだけやさしい言葉で丁寧にお話ししていきます。
読み終える頃には、「このお茶なら安心」と心がすっと軽くなる。そんな時間のお手伝いができれば幸いです。
この記事でわかること
- 妊娠中の体で起こる変化と、水分補給が大切になる理由
- カフェインをどこまで気にすれば良いか(国際的な”安心の目安”)
- 「無農薬」と「有機JAS」の違い、信頼できるお茶表示の見分け方
- グリーンルイボスやカフェインレス緑茶など、妊婦さんに寄り添う”第三の選択肢”
- 妊娠中〜授乳期まで、安心してお茶時間を楽しむ淹れ方・飲み方の工夫
- 茶つみの里が大切にしている産地・製法・品質管理のこだわり
目次
妊娠中のからだと水分補給のこと
増えていく血液量と”水分”のつながり
妊娠は、からだの働きが大きく切り替わる特別な状態です。その中でもとくに大きな変化が起こるのが「血液の量」です。
赤ちゃんに酸素や栄養を届けるため、そして出産時の出血に備えるために、妊娠中期〜後期にかけて、お母さんの体を流れる血液の量はふだんの約40〜50%増えると言われています。体重50kgの女性なら、通常は約3.5〜4リットルほどだった血液が、妊娠中には5リットル以上になるイメージです。
ここで知っておきたいのが、「何が増えているか」ということです。増えているのは、血液の水分にあたる部分が中心です。この水分の増え方が、赤血球の増え方よりも大きいため、妊婦さんの血液は生理的に少し”薄め”になりやすい状態が続きます。
このタイミングで水分が足りなくなると、血液の粘り気が増し、血のかたまりができやすくなったり、胎盤を流れる血液が滞って赤ちゃんへの影響が心配されるようになります。
さらに、お腹の赤ちゃんは羊水という水のクッションの中で成長しています。羊水はずっと同じ水ではなく、からだの中でつねに作り替えられています。そのため、お母さんのからだは新しい水分を供給し続ける必要があります。
厚生労働省や産婦人科のガイドラインでも、妊娠中はふだんよりも意識して水分を摂ることがすすめられています。「ちょっと喉が渇いたな」と感じる前から、こまめに一口ずつでも補給していくことがとても大切です。
水ではなく「お茶」が寄り添える理由
「水分が大事なら、水だけ飲んでいればいいのでは?」と考える方もいらっしゃると思います。もちろん、シンプルな水は大切な水分源です。
ただ、妊娠初期のつわりの時期には、水の”味のなさ”が受け付けなくなったり、水を飲むと気持ち悪く感じてしまうといった状態になる妊婦さんも少なくありません。また、冷たい水をたくさん飲むと内臓を冷やしてしまい、血のめぐりが滞りやすくなるという面もあります。
ここでそっと力を発揮してくれるのが「お茶」です。お茶には香り成分が含まれており、その香りが鼻から脳へと伝わることで、自律神経のバランスを整える働きが期待されています。特に湯気の立つ温かいお茶は、からだの内側をじんわり温め、妊娠中に起こりやすい冷えやむくみとの付き合いにも役立つと考えられています。
水分を摂るという行為は、「のどの渇きを潤す」だけではありません。何を飲むかによって、心がホッと落ち着いたり、自分をいたわる時間が生まれたりします。だからこそ、妊娠中の飲み物選びは「水分が摂れれば何でもいい」という話ではなく、からだと心の両方にとって安心できるものを選ぶことが大切だと、私たちは考えています。
妊娠中のカフェイン、どこまで気にする?
カフェインはどんな働きをする?
カフェインは、コーヒー豆・茶葉・カカオ豆などに自然に含まれる成分です。眠気を覚ます作用や、尿の量が増えやすくなる働きなどが広く知られています。
妊娠中にカフェインが話題になりやすいのは、この成分が胎盤を通過する性質を持っているからです。お母さんが摂ったカフェインが、そのままお腹の赤ちゃんの血液中に届くことがあります。
大人の体であればカフェインを分解する酵素が働いてくれますが、赤ちゃんはその酵素がまだ成熟していません。そのため、胎児の体内ではカフェインが長く滞在しやすいと言われています。
さらに、お母さん自身も妊娠中はカフェインの代謝がゆっくりになります。妊娠後期になると、カフェインが体内で半分になるまでの時間が妊娠前の2〜3倍に延びるとされており、「いつもの量を飲んでいるだけなのに、体内には以前より多く残っている」という状態になりやすいのです。
世界のガイドラインから見える安心の目安
では、カフェインは「妊娠中は絶対にダメ」なのでしょうか。答えは「摂りすぎなければ問題なし」というのが、世界の公的機関の共通したスタンスです。
WHO(世界保健機関)、EFSA(欧州食品安全機関)、ACOG(米国産婦人科学会)など、主要な機関は「1日200〜300mg以内であれば問題ないと考えられている」としています。これを超えて継続的に飲むとリスクが高まる可能性があるため注意が必要ですが、常識的な範囲でお茶を楽しむ分には、過度に恐れる必要はないということです。
「緑茶は妊娠中は一切ダメ」という情報をどこかで見かけた方もいらっしゃるかもしれませんが、科学的な基準から見るとそれは誤解です。もちろん「だから好きなだけ飲んでいい」という意味ではありませんが、正しい知識を持つことが必要以上の不安を手放すきっかけになると思います。
飲み物別のカフェイン量と”1日の目安”
「200mgってどれくらいの量なの?」と感じる方がほとんどだと思います。一般的な飲み物のカフェイン量を見てみると、イメージがつかみやすくなります。
| 飲料の種類 | 100mlあたりの量 | 1杯あたりの目安 |
|---|---|---|
| ドリップコーヒー | 約60mg | カップ1杯(150ml)約90mg |
| 紅茶(浸出液) | 約30mg | カップ1杯(150ml)約45mg |
| 煎茶(浸出液) | 約20mg | 湯呑み1杯(100ml)約20mg |
| 玉露(浸出液) | 約160mg | 湯呑み1杯(60ml)約96mg(要注意) |
| ほうじ茶・玄米茶 | 約20mg | 湯呑み1杯(100ml)約20mg |
| コーラ飲料 | 約10〜13mg | 500mlペットボトル約50〜65mg |
一般的な煎茶やほうじ茶なら、1日数杯飲んでも200mgにはとても届きません。「緑茶は妊娠中は絶対ダメ」という情報に心配させられてきた方にとって、この数字はひとつの安心材料になるかもしれません。ただし玉露は他の緑茶と比べてカフェインが多いため、妊娠中は控えめにしておくのが無難です。
それでも不安なときの「ノンカフェイン」という選択肢
ただし、理屈と気持ちは別ものですよね。いくら「安全圏」と言われても、妊娠中はホルモンの影響で気持ちが揺れやすく、「もし私の一杯で何かあったら…」と考えてしまうのはとても自然なことです。
私たち茶つみの里が大切にしているのは、「科学的に安全」だけでなく、「心から安心して飲める」ということです。ちょっとした不安がストレスになりやすい時期だからこそ、ノンカフェインのお茶を選ぶことが”心のゆとり”につながると私たちは考えています。「緑茶も飲めるけれど、安心とリラックスを優先したい」という方には、ノンカフェイン系のお茶を中心にすることをお勧めしています。
「無農薬」より大切なこと——有機JASという確かな基準
なぜ「無農薬」の表示は認められていないのか
スーパーや通販で「無農薬」と大きく書かれた商品を見かけたことがある方も多いと思います。一見すると「最も安全」なイメージがありますよね。しかし実は、この「無農薬」という表示は農林水産省のガイドラインで現在は使用が認められていません。
なぜかというと、「無農薬」という言葉は消費者に”完全なゼロ”をイメージさせてしまうからです。実際の農業現場では、隣の畑から風に乗って農薬が届いたり、過去に使われた農薬が土壌に微量残っていたりすることを完全にゼロにするのはほとんど不可能です。そうした現実から、「誤解を与えやすい表現」として禁止されました。
逆説的ではありますが、今もなお「無農薬」と書いて販売している業者があれば、ガイドラインを十分に理解していない可能性があります。「無農薬」と書かれた食品ほど、信頼性の判断には注意が必要という現状があるのです。
安心につながる”正しい表示”とは?
農林水産省は「無農薬」に代わる明確な2つの基準を設けています。
ひとつは「特別栽培農産物」という表示です。地域の通常の栽培方法と比べて農薬の使用回数を50%以下に抑えて育てた農産物に使える表示で、「努力して減らしました」という意味合いになります。完全にゼロとは言えません。
もうひとつが「有機JAS(オーガニック)」です。こちらが最も厳格な基準です。お茶の場合は3年以上、禁止された農薬や化学肥料を使っていない畑で育てること、遺伝子組換え技術を使わないこと、栽培から加工・包装までのすべての工程で化学物質が混入しないよう管理すること、そして国に登録された第三者機関の審査に合格すること——これらをすべて満たしたものだけが、あの「有機JASマーク」を貼ることができます。つまり有機JASとは、「誰が、どこで、どのように育て、どう管理したか」をすべて証明する制度なのです。
茶つみの里の取り組みとトレーサビリティ
私たち茶つみの里が妊娠中の方に本当に届けたいのは、曖昧な「無農薬」ではなく、国が認めた真正のオーガニック=有機JASのお茶です。
お茶の有機栽培は、はっきり言って簡単ではありません。お茶の木はもともと虫がつきやすく、病気にも弱い植物です。農薬に頼らずに葉を守るには、真夏の炎天下での手作業の除草、葉についた虫を一匹ずつ取り除く根気、何年もかけて微生物が豊かな土壌を育てる”土作り”——そういった気の遠くなるような作業が必要です。しかしだからこそ育つ一枚の茶葉には、大地の力と人の手間がぎゅっと詰まっていると私たちは感じています。
さらに当社は「認定小分け業者」という資格も取得しています。これは、有機JAS認定の茶葉を自社で加工・包装し、再び有機JASマークを貼って出荷できる資格です。工場の清潔管理から紙一枚の出荷記録まで、厳しい基準が求められます。こうした取り組みを続けるのは、「毎日の暮らしに、寄り添うお茶。」という理念を言葉だけでなく実際の品質で証明するためです。
妊婦さんに寄り添う”第三の選択肢”
妊娠中に飲めるノンカフェインのお茶といえば、「麦茶」「たんぽぽコーヒー」を思い浮かべる方も多いかもしれません。ただ、長年お茶の味を楽しんできた方の中には、「代用品ではなく、ちゃんとお茶らしい味が飲みたい」「食事と合わせても違和感のない飲み物がほしい」と感じる方が少なくありません。
茶つみの里では、多くの妊婦様から「飲みやすい」「続けやすい」という声をいただくお茶をご紹介しています。
有機グリーンルイボスティーの特徴
妊娠中のお茶として「ルイボスティー」を選ぶ方はとても多くいらっしゃいます。ただ、一般的な赤いルイボスティーは発酵させて作られるため、独特の香りや酸味について「つわりの時期は匂いがきつく感じて飲めない」「どうしても風味が合わない」という声も少なくありません。
そこで私たちが妊婦様に特にお勧めしているのが「有機グリーンルイボスティー」です。
グリーンルイボスは、収穫後すぐに発酵させずに乾燥させて仕上げます。この製法によって、驚くほど雑味が少なく、日本の煎茶に近いすっきりした味わいになります。「目を閉じて飲んだら緑茶だと思った」「ご飯と一緒に飲みやすい」というお声をよくいただきます。緑茶を諦めていた方にこそ、肩の力を抜いて楽しんでいただける一杯です。
また、発酵させないことで茶葉に含まれる抗酸化成分が酸化しにくく、レッドルイボスと比べてより多くの成分が残ると言われています。妊娠中はホルモンバランスの変化によって体が酸化ストレスを受けやすい時期でもあり、こうした成分を含む飲み物は日々の健康維持においてやさしいサポートになると考えられています。そして何より、完全ノンカフェイン。夜寝る前でも、体が敏感な日でも、時間を気にせず安心して飲めます。
その他のマタニティ向け健康茶
茶つみの里の取り扱い商品ではありませんが、一般的に妊娠中に選ばれることの多いお茶もいくつかご紹介しておきます。
桑の葉茶は、カルシウム・鉄分・葉酸なども含まれ、ノンカフェインで飲みやすい点から妊娠中に取り入れる方もいらっしゃいます。たんぽぽ茶はタンポポの根を焙煎して作られた飲み物で、香ばしいコーヒー風の味わいがあり、授乳期の飲み物として選ばれることもあります。とうもろこし茶はほんのり甘く香ばしい風味で、食事と合わせて飲みやすいお茶です。ただし利尿作用があるため、飲みすぎには注意が必要です。
安心してお茶時間を楽しむために
「何を飲むか」と同じくらい、「どう飲むか」も大切です。
カフェインを抑える淹れ方(緑茶の場合)
手元にある緑茶を楽しみたい場合は、「水出し」や「氷出し」が安心して楽しめる方法です。カフェインは高温でよく溶け出しますが、温度が低いほど抽出されにくくなります。一方で旨味成分は、水温が低くてもきちんと出てくれます。水出しはカフェインを抑えつつ、深みのある旨味を楽しめる淹れ方です。急須またはポットに茶葉を入れて冷水や氷を注ぎ、数分〜数時間ゆっくり抽出するだけ。妊娠中の敏感な時期でも飲みやすい楽しみ方です。
グリーンルイボスをおいしく淹れるために
グリーンルイボスは非発酵の茶葉のため、成分がゆっくりと抽出されます。じっくり時間をかけて淹れるのがおいしさの秘訣です。ティーバッグ1包(2〜3g)に対して熱湯300〜500mlを使い、ふたをして5分以上蒸らすのが基本の淹れ方です。通常の緑茶のように渋くなりすぎることがないため、長めの抽出がちょうど良いバランスになります。また酸化しにくい性質があるため、水筒に入れて持ち歩いても味が変わりにくく、妊娠中の日常にとても取り入れやすいお茶です。
鉄分とお茶の関係——食事との付き合い方
「お茶のタンニンが鉄の吸収を妨げる」と聞いたことはありますか?確かにタンニンは鉄と結びつきやすい性質がありますが、普段の食事で摂る程度の量であれば神経質になる必要はないというのが近年の栄養学の見方です。
ただし、医師から貧血を指摘されている方や鉄剤を飲んでいる方は、食事の前後30分ほどはお茶を控えるか、タンニンの少ない麦茶やグリーンルイボスを選ぶと安心です。また、ビタミンCは鉄の吸収を高める働きがあるため、果物や野菜と合わせて食べることも効果的です。
出産後・授乳期にも続く「お茶の時間」
授乳期は妊娠中よりもさらに水分が必要になります。母乳の約88%は水分だからです。産後の忙しい毎日の中で、ノンカフェインの温かいお茶は心と体をそっと支えてくれる存在になります。赤ちゃんの離乳食が始まる頃には、家族みんなで同じお茶を囲む時間も増えていきます。そんな未来の風景を、私はとても愛おしく感じています。
おわりに:今日の一杯が、あなたの安心につながるように
ここまで読み進めてくださり、ありがとうございました。
妊娠という特別な時期は、喜びとともに「これは大丈夫だろうか」という小さな不安が積み重なりやすい時期でもあります。お茶について検索されるのも、その優しさの表れだと私は思っています。
いくら「安全圏」と言われても、気持ちが揺れるのはごく自然なことです。この記事があなたの不安を少しでもほどき、自分の判断で選べる安心につながっていたら嬉しく思います。どうか無理をせず。あなたと、これから生まれてくる小さな命が、健やかでありますように。
毎日の暮らしに、寄り添うお茶。
付録:飲み物別カフェイン量一覧
| 飲料の種類 | 100mlあたりのカフェイン量 | 妊婦への備考 |
|---|---|---|
| レギュラーコーヒー(浸出液) | 約60mg | 抽出濃度によって変わる |
| 紅茶(浸出液) | 約30mg | 細かい茶葉ほど溶け出しやすい |
| 煎茶(浸出液) | 約20mg | 二煎目・三煎目は大幅に減少する |
| 玉露(浸出液) | 約160mg | 被覆栽培のためカフェインが多い。要注意 |
| 番茶・玄米茶(浸出液) | 約10〜20mg | 若芽よりカフェインが少なめ |
| 麦茶・ルイボス茶 | 0mg | 原材料にカフェインを含まないため安心 |
| 高カカオチョコレート(70%) | 約4〜6mg/5g | コーヒーとの組み合わせに注意 |
| 栄養ドリンク | 50〜150mg | 製品により大きく異なる。成分表示を確認 |
※本記事は情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。体調に不安がある場合は、かかりつけの産婦人科医にご相談ください。
「毎日続けるものだからこそ、安心して飲めるものを選びたい。」 そんな想いに寄り添えるお茶を、私たちは目指しています。 もし、この記事を読んで「安心して飲み続けられるお茶を探したい」と 感じていただけた方は、ぜひ一度私たちのお茶をご覧いただければ幸いです。


