茶つみの里のよみもの
2025.12.03

妊娠中のお茶選び|カフェイン・有機・ノンカフェインまで、安心のための完全ガイド

妊娠がわかったその日から、食べ物や飲み物の選び方が、突然「自分だけの問題」ではなくなりますよね。
特に、お茶は日本の暮らしに深く根ざした存在だからこそ、

  • 緑茶はもう飲めないのかな
  • カフェインはどれくらい気をつけるべき?
  • 香りの強いお茶は赤ちゃんに影響しない?

そんな小さな心配が、ふと心に浮かぶこともあると思います。

茶つみの里は、単に商品を届けるだけのお茶屋ではありません。
「毎日の暮らしに、寄り添うお茶。」をお届けするために、妊娠中・授乳中の不安に誠実に向き合い、安心して選べる情報をまとめることも大切な役割だと考えています。

この記事では、
“妊娠中のお茶選びの不安をそっとほどき、あなたが自信をもって一杯を選べるようにすること”
を目的に、専門的な内容もできるだけやさしい言葉で丁寧にお話ししていきます。

読み終える頃には、「このお茶なら安心」と心がすっと軽くなる。
そんな時間のお手伝いができれば幸いです。


この記事でわかること

  • 妊娠中の体で起こる変化と、水分補給が大切になる理由
  • カフェインをどこまで気にすれば良いか(国際的な“安心の目安”)
  • 「無農薬」と「有機JAS」の違い、信頼できるお茶表示の見分け方
  • グリーンルイボスやカフェインレス緑茶など、妊婦さんに寄り添う“第三の選択肢”
  • 妊娠中〜授乳期まで、安全にお茶時間を楽しむ淹れ方・飲み方の工夫
  • 茶つみの里が大切にしている産地・製法・品質管理のこだわり

目次


妊娠中のからだと水分補給のこと

増えていく血液量と“水分”のつながり

妊娠は、からだの働きが大きく切り替わる特別な状態です。
その中でもとくに大きな変化が起こるのが「血液の量」です。

赤ちゃんに酸素や栄養を届けるため、そして出産時の出血に備えるために、妊娠中期〜後期にかけて、母体の循環血液量はふだんの約40〜50%増えると言われています。
体重50kgの女性なら、通常は約3.5〜4リットルほどだった血液が、妊娠中には5リットル以上になるイメージです。

ここでポイントになるのが、「何が増えているか」ということです。
増えているのは、血液の“水分”にあたる 血漿(けっしょう) が中心です。赤血球よりも血漿のほうがたくさん増えるため、妊婦さんの血液は生理的に少し“薄め”になりやすく、この状態を希釈性貧血と呼ぶことがあります。

このタイミングで水分が足りなくなると、血液がドロッとして粘り気が増し、

  • 血栓症(血のかたまり)のリスク
  • 胎盤の血流が悪くなることによる、赤ちゃんへの影響

などが心配されるようになります。

さらに、お腹の赤ちゃんは、**羊水という“水のクッション”**の中で成長しています。
羊水はずっと同じ水ではなく、からだの中でつねに作り替えられています。そのため、お母さんのからだは、いつも新しい水分を供給し続ける必要があります。

厚生労働省や産婦人科のガイドラインなどでも、妊娠中はふだんよりも意識して水分を摂ることがすすめられています。
「ちょっと喉が渇いたな」と感じる前から、こまめに一口ずつでも補給していくことが、とても大切になってきます。


水ではなく「お茶」が寄り添える理由

「水分が大事なら、水だけ飲んでいればいいのでは?」
そう考える方もいらっしゃると思います。もちろん、シンプルな水は大切な水分源です。

ただ、妊娠初期のつわりの時期には、

  • 水の“味のなさ”が、なぜか受け付けなくなる
  • 水を飲むと気持ち悪く感じてしまう

といった、いわゆる「水が飲みにくい」状態になる妊婦さんも少なくありません。
また、冷たい水をたくさん飲むと、内臓を冷やしてしまい、血流が滞りやすくなるという面もあります。

ここで、そっと力を発揮してくれるのが「お茶」です。

お茶には、香り成分(アロマ) が含まれています。
この香りが鼻から脳へと伝わることで、自律神経のバランスを整える働きが期待されています。
特に、湯気の立つ温かいお茶は、からだの内側をじんわり温め、末端の血管を広げてくれるため、妊娠中に起こりやすい「冷え」や「むくみ」との付き合いにも役立つと考えられています。

水分を摂る、という行為は、単に「のどの渇きを潤す」だけではありません。
何を飲むかによって、

  • 心がホッと落ち着く
  • 気持ちが整う
  • 自分をいたわる時間が生まれる

といった、メンタルケアの時間にもなり得ます。

だからこそ、妊娠中の飲み物選びは、
「水分が摂れれば何でもいい」という話ではなく、
「からだ」と「心」の両方にとって、安心できるものを選ぶことが大切だと、私たちは考えています。

次のパートでは、その選択の大きなポイントになる「カフェイン」について、妊娠中のからだとの関係を、できるだけわかりやすくお話ししていきます。

妊娠中のカフェイン、どこまで気にする?

カフェインはどんな働きをする?

カフェインは、コーヒー豆・茶葉・カカオ豆などに自然に含まれる成分で、正式には 1,3,7-トリメチルキサンチン と呼ばれるアルカロイドの一種です。
一般的には、

  • 眠気を覚ます作用
  • 血管を収縮させる作用
  • 尿の量が増えやすくなる働き
  • 胃酸を分泌しやすくする働き

などが知られています。

妊娠中にカフェインが話題になりやすいのは、この成分が 胎盤を通過する 性質を持っているからです。
カフェインの分子は小さく、脂溶性もあるため、お母さんが摂ったカフェインがそのまま赤ちゃんの血液中に移行しやすいのです。

ただし、ここで重要なのは 「胎児側はカフェインを分解する力が弱い」という点 です。
大人の肝臓なら、チトクロームP450(CYP1A2)という酵素がカフェインを代謝してくれますが、赤ちゃんはこの酵素がまだ成熟していません。
そのため、胎児の体内ではカフェインが長く滞在しやすいと言われています。

さらに、お母さん自身も妊娠中はカフェインの代謝スピードがゆっくりになります。
妊娠後期には、カフェインが“半分になるまでの時間(半減期)”が、妊娠前の 2〜3倍 に延びるとされ、
「いつもの量を飲んでいるだけなのに、体内には“いつも以上に”残っている」という状態が起こりやすくなります。

こうした点から、妊娠中はカフェインへの注意が必要だと語られてきました。


世界のガイドラインから見える“安心の目安”

では、カフェインは “妊娠中は絶対にダメ” なのでしょうか?
答えは 「摂りすぎなければ問題なし」 というのが、世界の公的機関の共通したスタンスです。

毒性学には
「量が毒を作る」(The dose makes the poison)
という原則があります。つまり、問題は“どれくらいの量を摂るか”。

WHO、EFSA(欧州食品安全機関)、ACOG(米国産婦人科学会)など、主要な機関の結論は次のように整理できます。

  • 200〜300mg/日以内なら問題ないと考えられている
  • これを超えて継続的に飲むと、リスクが高まる可能性があるため注意が必要
  • 日本の食品安全委員会は明確な数値は設けていないが、WHOなどを参考に注意喚起

ここから読み取れる大切なポイントは、
「緑茶を含むお茶を、常識的な範囲で楽しむ分には、過度に恐れる必要はない」
ということです。

もちろん、「だから好きなだけ飲んでもいい」という意味ではありません。
ですが、科学的な基準を冷静に見ると、「妊娠したら緑茶は一切ダメ」という情報が誤解であることは明確です。


飲み物別のカフェイン量と“1日の目安”

「200mgってどれくらい?」
そう感じる方が大半だと思います。そこで、一般的な飲み物のカフェイン量を目安として比較してみます。

飲料の種類 100mlあたりのカフェイン量 1杯あたりの量(目安)
ドリップコーヒー 約 60 mg カップ1杯 (150ml) 約 90 mg
紅茶(浸出液) 約 30 mg カップ1杯 (150ml) 約 45 mg
煎茶(緑茶・浸出液) 約 20 mg 湯呑み1杯 (100ml) 約 20 mg
玉露(浸出液) 約 160 mg 湯呑み1杯 (60ml) 約 96 mg(要注意)
ほうじ茶・玄米茶 約 20 mg 湯呑み1杯 (100ml) 約 20 mg
コーラ飲料 約 10〜13 mg 500mlペットボトル 約 50〜65 mg
エナジードリンク 約 32〜300 mg 製品により大きく異なるため注意

ここから導き出される事実は、とても安心できるものです。

一般的な煎茶やほうじ茶なら、1日数杯飲んでも200mgにはとても届かない
ということです。

「緑茶は妊娠中は絶対だめ」という極端な情報に心配させられてきた方にとって、この事実はひとつの“安心材料”になるかもしれません。


それでも不安なときの「ノンカフェイン」という選択肢

ただし、理屈と気持ちは別ものですよね。

いくら“安全圏”と言われても、妊娠中はホルモンの影響で気持ちが揺れやすく、
「もし私の一杯で何かあったら…」
と考えてしまうのは、とても自然なことです。

私たち茶つみの里が大切にしているのは、
「科学的に安全」だけではなく、「心から安心して飲める」こと。

だからこそ、妊娠中のお茶選びとして、

  • ノンカフェイン
  • カフェインレス(※除去して微量に抑えたもの)

といった選択肢が、とても意義のあるものになってきます。

特に妊娠中は、

  • ちょっとの不安がストレスになりやすい
  • 夜中に目が覚めやすい
  • カフェインの影響が抜けにくい

という状態があります。

ですから、

「緑茶も飲めるけれど、安心とリラックスを優先したい」

という方にとっては、ノンカフェイン系のお茶を中心にすることが
“心のゆとり”につながると私たちは考えています。

次のパートでは、カフェインと並んでよくいただくご質問——
「農薬は大丈夫?」
について、法律の仕組みから丁寧にお話ししていきます。


「無農薬」より大切なこと —— 有機JASという確かな基準

なぜ「無農薬」の表示は認められていないのか

スーパーや通販で「無農薬」と大きく書かれた商品を見かけたことがある方も多いと思います。
一見すると「最も安全」なイメージがありますよね。
しかし実は、この 「無農薬」という表示は法律上認められておらず、現在は使用禁止 になっています。

なぜ国は、もっとも魅力的に見えるこの言葉を禁止したのでしょうか?

その理由は、消費者に “誤解を与えやすい” からです。

「無農薬」と書かれていると、

  • 残留農薬が一切ない
  • 土壌にも、過去の栽培履歴にも、空気にも微量の農薬が存在しない

といった“完全なゼロ状態”をイメージさせてしまいます。

しかし実際の農業現場では、

  • 隣の畑から風に乗って農薬が飛んでくる(ドリフト)
  • 過去に使われた農薬が土壌に微量残っている可能性
  • 雨・地下水を通じたわずかな化学物質の混入

といったことを完全にゼロにするのは、ほとんど不可能です。

そうした背景から、農林水産省は 「無農薬」などの絶対表現を禁止 し、
「正確で、誤解を与えない表示」をルール化しました。

したがって、今もなお「無農薬」と書いて販売している業者がいれば、
それは ガイドラインを理解していない、あるいは遵守していない可能性 が高いと言わざるを得ません。

逆説的ではありますが、
「無農薬」と書かれた食品ほど、実は信頼性に欠けることがある
という現状があるのです。


安心につながる“正しい表示”とは?

「無農薬」が禁止されているなら、どう区別すれば良いの?
――という疑問にお答えするために、農林水産省は明確な2つのカテゴリーを設けています。

● 1. 特別栽培農産物

地域の“通常栽培(慣行レベル)”と比べて、

  • 農薬の使用回数を50%以下
  • 化学肥料の窒素成分も50%以下
    に抑えて育てた農産物にのみ使える表示です。

例)
「農薬:栽培期間中不使用」
「節減対象農薬:当地比5割減」

あくまで
「努力して減らしました」
という表示であり、完全にゼロとは言えません。

● 2. 有機JAS(オーガニック)

こちらは、最も厳格な基準です。

  • お茶の場合は 3年以上、禁止された農薬・化学肥料を使っていない畑で育てる
  • 遺伝子組換え技術を使わない
  • 栽培〜加工〜包装まで、すべての工程で化学物質が混入しないよう管理
  • 国に登録された第三者機関の審査(書類+実地)に合格する

これらをすべて満たしたものだけが、あの 「有機JASマーク」 を貼ることができます。

つまり、有機JASとは
「誰が、どこで、どのように育て、どう管理したか」を全て証明する制度
なのです。


茶つみの里の取り組みとトレーサビリティ

私たち茶つみの里が妊娠中の方に本当に届けたいのは、
曖昧な「無農薬」ではなく、
国が認めた“真正のオーガニック”=有機JAS のお茶です。

お茶の有機栽培は、はっきり言って簡単ではありません。

お茶の木はもともと虫がつきやすく、病気にも弱い植物。
農薬に頼らずに葉を守るには、

  • 真夏の炎天下での手作業の除草
  • 葉についた虫を一匹ずつ取り除く根気
  • 何年もかけて、微生物が豊かな土壌を育てる“土作り”

といった、気の遠くなるような作業が必要です。

しかし、だからこそ育つ一枚の茶葉には、
大地の力と、人の手間がぎゅっと詰まっている
と私たちは感じています。

さらに当社は、「認定小分け業者」という資格も取得。
これは、有機JAS認定の茶葉を自社で加工・包装し、
再び有機JASマークを貼って出荷できる資格 です。

この資格には、

  • 工場の清潔管理
  • 異物混入防止
  • 紙一枚の出荷記録まで残す管理体制

など、厳しい基準が求められます。

こうした取り組みを続ける理由はただひとつ。
茶つみの里の理念である
「毎日の暮らしに、寄り添うお茶。」
を、言葉だけでなく実際の品質で証明するためです。

あなたが手に取る一杯が、
「どこで、だれが、どのように」つくったお茶なのか。
それを明確にし、安心していただくことこそが、
私たちがお届けできる最大の“信頼”だと考えています。

妊婦さんに寄り添う“第三の選択肢”

妊娠中に飲めるノンカフェインのお茶といえば、
「麦茶」「たんぽぽコーヒー」などを思い浮かべる方も多いかもしれません。

ただ、長年“お茶の味”を楽しんできた妊婦様の中には、

  • 「代用品ではなく、ちゃんと“お茶らしい味”が飲みたい」
  • 「食事と合わせても違和感のない飲み物がほしい」

と感じられる方が少なくありません。

茶つみの里は長年お茶に携わる立場として、
妊娠中でも安心して過ごしていただけるよう、
「どんなお茶を選ぶとストレスなく楽しめるか」 という視点を大切にしています。

その中で、多くの妊婦様から
「飲みやすい」「続けやすい」
という声をいただくことが増えているのが、

  • グリーンルイボスティー(ノンカフェイン)
  • カフェインレス緑茶(一般的なデカフェ緑茶という選択肢)

といった“第三の選択肢”です。

ここからは、それぞれの特徴や魅力を、
妊娠中のお茶選びのヒントとして丁寧にご紹介していきます。

有機グリーンルイボスティーの特徴

妊娠中のお茶として「ルイボスティー」を選ぶ方はとても多くいらっしゃいます。
南アフリカ原産のこのマメ科植物は、ノンカフェインでありながらミネラルを含む、やさしい特性を持つためです。

ただ、一般的な 赤いルイボスティー(レッドルイボス) は発酵させて作られるため、
その独特の香りや酸味について、

「つわりの時期は匂いがきつく感じて飲めない」
「続けたいけれど、どうしても風味が合わない」

という声も少なくありません。

こうした背景から、私たちが妊婦様に特におすすめしているのが、
「有機グリーンルイボスティー」 です。


1. 発酵させないことで生まれる“緑茶のような飲みやすさ”

赤いルイボスティーはじっくり“発酵”させることで、あの赤色と独特の風味が生まれます。
一方で グリーンルイボスティーは、収穫後すぐに非発酵のまま乾燥 させて仕上げます。

この製法によって、

  • 驚くほど雑味が少なく
  • 日本の煎茶に近いすっきりした味わい
  • 食事の邪魔をしない軽さ

が生まれます。

実際に妊婦様からも、

「目を閉じて飲んだら緑茶だと思った」
「ごはんと一緒に飲みやすい」

という声を多くいただきます。

“緑茶を諦めていた方にこそ、肩の力を抜いて楽しんでいただける一杯” と言えると思います。


2. 抗酸化成分が豊富に残る“非発酵”のメリット

グリーンルイボスが高く評価されるのは、味だけではありません。

発酵させないことで、葉に含まれる

  • フラボノイド類
  • アスパラチン(ルイボス特有の抗酸化成分)

といった成分が酸化しにくく、
レッドルイボスと比べて 10倍〜数十倍 とも言われる量が残る点です。

妊娠中はホルモンバランスや体調変化によって、
体内で“酸化ストレス”を受けやすい時期でもあります。

こうした抗酸化成分を含む飲み物は、
日々の健康維持において やさしいサポート になると考えられています。


3. 完全ノンカフェインだから、時間を気にせず飲める

そして何より 完全ノンカフェイン

  • 夜寝る前
  • 体が敏感な日
  • ちょっと気持ちが揺れやすいタイミング

どんな時でも、時間を気にせず寄り添ってくれる安心感があります。


まとめ:妊婦様の「飲みたい」に正直に寄り添う一杯

  • 緑茶に近いすっきり感
  • 高い抗酸化力
  • 完全ノンカフェイン
  • 食事に合わせやすい

これらの理由から、グリーンルイボスティーは
“おいしさ”と“安心”の両方を求める妊婦様にとって、自然に続けやすい選択肢となってくれます。

その他のマタニティ向け健康茶

(※茶つみの里の取り扱い商品ではなく、一般的に妊娠中に選ばれるお茶としてご紹介しています)

妊娠中のお茶選びでは、ノンカフェインの選択肢が広く存在します。
ここでは、一般的に選ばれる代表的なお茶を、情報としてご紹介します。

● 桑の葉茶(マルベリーティー)

桑の葉には DNJ(1-デオキシノジリマイシン) が含まれ、
食事中の糖と関わるはたらきが注目されてきました。
また、

  • カルシウム
  • 鉄分
  • 葉酸

なども含まれ、ノンカフェインで飲みやすい点から
妊娠中に取り入れる方もおられます。

● たんぽぽ茶(タンポポコーヒー)

タンポポの根を焙煎して作られた飲み物で、香ばしいコーヒー風の味わい。
古くから「母乳にまつわるハーブ」として知られ、
妊娠中〜授乳期の飲み物として選ばれることがあります。

● とうもろこし茶(コーン茶)

ほんのり甘く香ばしい風味で、ノンカフェインの飲み物として親しまれています。
鉄分や食物繊維が含まれ、食事と合わせて飲む方もいます。
ただし利尿作用があるため、飲みすぎには注意が必要です。

安心してお茶時間を楽しむために

妊娠中のお茶選びでは、「何を飲むか」と同じくらい “どう飲むか” も大切です。
ここでは、カフェインを抑える淹れ方や、体をいたわる飲み方の工夫を、やさしく整理してお伝えします。


カフェインを抑える淹れ方(緑茶の場合)

もしご自宅にある緑茶や、いただきものの煎茶・玉露などを楽しみたい場合は、
「水出し」や「氷出し」 が安心して楽しめる方法です。

● カフェインは“低温で出にくい”という性質がある

カフェインは高温でよく溶け出しますが、
温度が低いほど抽出されにくくなります。

一方で、

  • 旨味成分のテアニン
  • 低温で抽出されやすいカテキン(EGC)

は、水温が低くてもきちんと出てくれる成分です。

そのため「水出し」は、カフェインを抑えつつ、
深みのある“出汁のような旨味”を楽しめる淹れ方です。

● 水出し・氷出しの簡単な方法

  • 茶葉を急須またはポットに入れる
  • 冷水や氷を注ぐ
  • 数分〜数時間、ゆっくり抽出するだけ

妊娠中の敏感な時期でも飲みやすく、
からだにやさしい楽しみ方と言えます。


グリーンルイボスをおいしく淹れるために

グリーンルイボスは、一般的なお茶と比べて “非発酵” の茶葉です。
この性質から、成分がゆっくりと抽出されるため、
じっくり時間をかけて淹れるのがおいしさの秘訣です。

● 基本の淹れ方

  • ティーバッグ1包(2g〜3g)に対し
  • 熱湯300〜500mlを使用
  • ふたをして 5分以上 蒸らす

通常の緑茶のように“渋くなりすぎる”ことがないため、
長めの抽出時間がむしろちょうど良いバランスになります。

抽出が進むと、黄金色の美しい水色(すいしょく)になり、
フラボノイドがしっかりと溶け出した証拠でもあります。

● 持ち歩きにも向いています

グリーンルイボスは酸化しにくい性質があるため、
水筒に入れて時間が経っても味が変わりにくく、
妊娠中の日常にとても取り入れやすいお茶です。


鉄分とお茶の関係 ― 食事との付き合い方

「お茶のタンニンが鉄の吸収を妨げる」と聞いたことはありますか?

確かにタンニンは鉄と結びつき、
吸収されにくい“タンニン鉄”を作る性質があります。

ただし近年の栄養学では、次の点が指摘されています。

  • 普段の食事で摂る程度のタンニン量であれば、
    神経質になる必要はない
  • 動物性食品に含まれる ヘム鉄 は、
    タンニンの影響を受けにくい

とはいえ、念のため

  • 医師から貧血を指摘されている
  • 鉄剤を飲んでいる
  • 鉄分補給を特に意識している

という場合は、次の工夫が安心につながります。

● タイミングを少しずらす

  • 食事の 前後30分ほど はお茶を控える
  • どうしても飲みたい場合は、
    タンニンの少ないお茶(麦茶・グリーンルイボスなど) を選ぶ

● ビタミンCと一緒に摂る

ビタミンCは鉄の吸収を高める働きが知られています。
果物や野菜と合わせて食べることで、効率よく取り入れられます。


出産後・授乳期にも続く「お茶の時間」

授乳期は、実は妊娠中よりもさらに水分が必要になります。
母乳の約88%は水分だからです。

そのため、

  • ノンカフェインのグリーンルイボス
  • 妊娠中から慣れたお茶
  • 体をあたためる温かい飲み物

は、産後の忙しい毎日のなかで、
心と体をそっと支えてくれる存在になります。

赤ちゃんの離乳食が始まる頃には、
濃度を薄めて一緒に飲めるものも増えていきます。

家族みんなで、同じお茶を囲む。
その未来の風景を、私はとても愛おしく感じます。

おわりに:今日の一杯が、あなたの安心につながるように

ここまで読み進めてくださり、本当にありがとうございました。

妊娠という特別な時期は、喜びとともに「これは大丈夫だろうか」と、
小さな不安が積み重なりやすい時期でもあります。
お茶について検索されるのも、その優しさの表れだと私は思っています。

そして、お茶は本来、
心をととのえ、からだに寄り添い、暮らしをあたためる存在です。

  • カフェインに迷ったとき
  • 情報の多さに気持ちが疲れてしまったとき
  • 少しだけ一息つきたいとき

そんな時に、お茶の湯気がふっと心をゆるませてくれます。

この文章があなたの不安を少しでもほどき、
“自分の判断で選べる安心” につながっていたら嬉しく思います。

どうか、無理をせず。
あなたと、これから生まれてくる小さな命が、健やかでありますように。

毎日の暮らしに、寄り添うお茶。

最後に、妊娠中のお茶選びの参考になるよう、主要な飲み物のカフェイン量を一覧にまとめました。

食品名単位カフェイン含有量 (mg)妊婦への備考
レギュラーコーヒー(浸出液)100ml60深煎りの方がカフェインはやや少ない傾向があるが、抽出濃度による。
紅茶(浸出液)100ml30茶葉のグレード(OP等)より、細かい茶葉(ブロークン)の方が溶け出しやすい。
煎茶(浸出液)100ml20二煎目、三煎目はカフェイン量が大幅に減少する。
玉露(浸出液)100ml160栽培方法(被覆栽培)によりカフェインが増加するため、高濃度になりやすい。
番茶・玄米茶(浸出液)100ml10〜20茶葉が成長しているため、若芽よりカフェインが少ない。
麦茶・そば茶・ルイボス茶100ml0原材料にカフェインを含まないため、安心して摂取可能。
高カカオチョコレート(70%)1枚(5g程度)約 4〜6おやつとして食べる際は、コーヒーとの組み合わせに注意。
栄養ドリンク1本50〜150製品により無水カフェインが添加されているため、成分表示を要確認。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。体調に不安がある場合は、必ずかかりつけの産婦人科医にご相談ください。

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