茶つみの里のよみもの
2022.09.26

お茶の値段はどうやって決まる?

お茶を購入しようと思ったら、30gで何千円もするようなお茶から、1キロで千円を切っているようなお茶まで値段は様々。
ではお茶の値段はどのように決まっているのでしょうか?
”良いお茶”は高い?高いお茶は美味しいのか?今回はお茶の値段について解説していきたいと思います。

摘採期によるお茶の違い

お茶の葉は年中刈り取って製造しているのではなく、摘採する時期があります。

一年を通じて見ていくと、冬場はお茶の木は休眠中。しっかりと土壌から栄養を補給します。4~5月の春先、茶の木から新芽が芽吹き始めると摘採が始まります。
これを一番茶(新茶)と呼びます。新茶は冬場の間に蓄えた栄養をぎゅっと凝縮した葉っぱですから、一番旨味の乗った美味しい茶になります。

このあとの6月頃、刈り取った木から新たに芽が出ますので、これを再度刈り取ります。これが二番茶。ここから夏場にかけて三番茶、四番茶と続いていきます。

一年の最初に摘み採られる一番茶の値段がいちばん高く、二番茶、三番茶と続くにつれてお茶の価格は下がっていきます。

芽の伸び方による違い

春先に芽吹いた新芽は、日を追うごとにどんどん成長し伸びていきます。
新茶の摘採期は、約二週間ほど毎日お茶の摘採がありますが、始まったばかりのころは芽がまだ若く、葉も柔らかい状態。また芽が伸びていない分、生産量もごく僅かとなります。ですので摘採日が早いお茶ほど値段は高いお茶となります。

日を追うにつれて芽は成長し大きくなっていきますので、生産量も増えていきます。ですが芽の成長が進むにつれて繊維質が高くなり、旨味の成分も低下していきます。茶の葉も初期の柔らかかったところから比較するとだいぶ固くなっていきます。
このように日を追うごとに茶の価格も徐々に落ちていくことになります。

では最初に摘まれる一番高いいお茶がいちばん美味しいのかというと、そこは難しいところ。
確かに早いほど旨味の成分値も高く、芽も綺麗ではありますが、早すぎるとまだ味が乗っていない状態で、お茶の色が少し赤かったり、渋みとのバランスが取れていない場合もあります。

嗜好品ですから好みはそれぞれではありますが、良い芽の伸び具合と味、そして値段のバランスをうまく取っていく必要があります。

お茶の摘採期は、様々な生産農家の方が荒茶(茶の原料)を製造していますので、当店の茶師はこの時期何十もの原料をすべて拝見し、一番いい状態のものを選んで仕入れを行っています。

産地による違い

茶の原産地は静岡県だけではなく、鹿児島県や三重県、京都や福岡など様々あります。この産地の違いによっても値段の相場は異なります。
また同じ静岡県内であっても、掛川市、牧之原市、川根、富士など場所も異なり、相場も異なります。

同じ摘採期、同じ芽の伸び具合であってもそれぞれの産地によって価格が異なるのが、面白いところでもあります。

我々が取り扱っている掛川茶は、全国茶品評会 深蒸し煎茶の部で産地賞を全国最多の23回受賞しており、非常に品質の高いお茶と評価されています。